一人暮らしの部屋も手軽にお正月感アップ!鏡餅の基本知識などを紹介

鏡餅

鏡餅は、一人暮らしの部屋に取り入れやすいお正月飾りです。丸い大小のお餅の上に、みかんに似た橙(だいだい)という果物を乗せた姿でおなじみですね。日本人にとっては当たり前の飾りですが、よーく考えてみたら変な物だと思いませんか? 鏡餅の基本的な知識を押さえ、お気に入りの鏡餅を探してみましょう。

鏡餅とは

鏡餅を飾る理由や名前・形の由来などについて、わかりやすくご紹介していきます。

鏡餅を飾る意味・理由

お正月に鏡餅を飾る理由は、大きく2つあります。

年神様へのお供え物・依り代

1つ目は、鏡餅は年神様へのお供え物であり、依り代(よりしろ)にもなるからです。年神様(穀物の神様)にお餅をお供えするというのは、とてもシンプルでわかりやすいですね。

問題は「依り代」のほうですね。依り代とは、神様が宿る物などをいいます。なぜ鏡餅に年神様が宿ると考えられたのかは、下記「鏡餅に年神様が宿る理由」で紹介するとして、お正月に鏡餅がなければ、年神様は家なき子状態になってしまいます。

同情するなら、早く鏡餅をあげてください。

年神様の力をもらう

二つ目は、私たち人間が年神様の力をいただくためです年神様がお宿りになった鏡餅を食べれば、新しい活力を得ることができると考えられています。そこで1年の家族の無病息災を願い、鏡餅を食べる風習(=鏡開き)があるのです。鏡開きについては、下記で詳しくご紹介しています。

一人暮らしのお正月|鏡開きの基礎知識を知ってご利益ゲット

「鏡餅」名前の由来

では、なぜ鏡餅というのでしょうか。どの辺りが鏡っぽいのか……よくわかりませんね。

語源は昔の鏡の形に似ているから

そこで、まずは「鏡」をイメージしてみてみましょう。

多くの人は、四角い鏡を思い浮かべたのではないでしょうか。洗面所の鏡や姿見など、私たちの身の回りにある鏡には、四角いものが多いですよね。ですが、昔の鏡は丸い形をしていました。

歴史の教科書などで、見覚えがありませんか?

鏡餅に使うお餅も、丸いですよね。鏡餅は丸い→鏡に似ている1というわけで、鏡餅と呼ばれるようになったのです。

鏡餅に年神様が宿る理由

鏡というと、一般的には身だしなみを整えるために必要な日常道具。ところが鏡には、神の宿る祭具としての役割もあります。

わかりやすいのは、神社の御神体。ご神体が鏡、という神社も多いですよね。鏡には神様が宿るので、鏡餅にも神様が宿ると考えられたようです。

鏡餅の形

では、鏡餅はなぜ丸いのかといえば、心臓(人の魂)を模したからといわれています。

大小のお餅を二段に重ねる2のも、月(陰)と太陽(陽)を表している3、福徳が重なって縁起がいい、といった意味があります。

なお、鏡餅の数え方は「一重(ひとかさね)・二重……」です。もちろん「一個・二個……」と数えても、日常生活に支障はありませんが。

鏡餅飾り各パーツの名称と意味

鏡餅はお餅や橙のほか、いろいろなものから構成されています。もちろん、それぞれに意味がありますので、名称と併せて紹介していきましょう。

台は「三方」

鏡餅が載せられている台は、三方(さんぽう)といいます。4つある側面のうち、3つに丸い穴が開いた台です。神仏に物を供えるときに使うもので、例えば月見団子も三方に載せてお供えします。

四方紅

四方紅

三方には四方紅(しほうべに)を敷いて、その上に鏡餅を載せます。四方紅とは、赤い縁取りがなされた紙のことです。四方の災いを払い、1年の繁栄を祈願するという意味があります。四方紅が用意できない場合は、奉書紙や半紙でも良いとされています。

橙(だいだい)

橙

大小の上に置かれ、鏡餅を鏡餅たらしめている(あくまでも個人的な意見)のが橙(だいだい)の実です。橙はミカン科の果物ではありますが、一般的なみかん(温州みかん)とは異なります。

代々(だいだい)家が栄えるように、という意味で飾られるのですが、「ただのダジャレかよ!」とがっかりしないでください。橙には、回青橙(かいせいとう)という異名があります。橙の実は冬になると熟して黄色くなりますが、木から落ちることなく、翌年の夏にはまた緑色(青)に戻るからです。

橙は、長寿や家族の繁栄を祈るふさわしい、神秘的な植物なのです。

裏白

裏白

四方紅とお餅の間に、挟むようにして飾られるのが裏白(うらじろ)4と呼ばれる葉です。裏白は、下記のような理由から、縁起の良い植物とされてきました。

  • 古い葉は落ちずに、新しい葉が出てくる → 長寿・子孫繁栄
  • 葉が垂れるように生える → 稲穂を連想させる
  • 葉の裏が白い5 → 清廉潔白
  • 葉が左右対称に生える → 夫婦円満

このように縁起の良い裏白は、おせち料理の添え物としても使われています。

↓↓徳川家康の兜の前立てのモチーフにもなりました。

ゆずり葉

ユズリハ

ゆずり葉(譲葉)も裏白と同様、四方紅とお餅の間に敷かれる葉です。

ゆずり葉が縁起物とされる理由の一つは、寒さが深まるほど、葉の色つやが良くなる点です。他の植物とは対照的な生態から、神秘的な植物と考えられたようです。古い葉は新しい葉が生えてから落ちることから、長寿や子孫繁栄の象徴としての意味もあります。

他の飾り

鏡餅の飾り方は、地域や家庭によって様々です。

上述した飾り以外にも、

  • 御幣(ごへい)
  • 昆布:「よろこんぶ」から
  • 串柿:嘉来(=良いことがやってくるの意)から
  • 海老(えび):腰が曲がるまで長生きできるように
  • するめ

などを添えて飾る場合があります。

一人暮らしにはコンパクトな鏡餅

色々説明してきましたが、一人暮らしの部屋に飾るならコンパクトな鏡餅がいいですよね。

個包装タイプが便利

一番簡単なのは、コンビニなどでも売っている個包装タイプ。これなら、鏡開きも秒殺です。


おしゃれな鏡餅も多い

デザイン性重視の方、炭水化物を控えている方などにおすすめなのが、鏡餅の置物です。食べられない代わりに、毎年使うことができますね。


鏡餅を飾る場所・期間

鏡餅を用意できたら、次の問題は飾る場所と期間です。

鏡餅の置き場所

鏡餅と扇

床の間や玄関に大きな鏡餅を、仏壇・神棚や各部屋に小さな鏡餅を飾るのが一般的です。

とはいえ、決まりはありません。年神様に来ていただきたい場所、かつ、落ち着いて過ごしていただくのにふさわしい場所に置くのが良いでしょう。リビング・キッチン・書斎・寝室・トイレなどに飾る人が多いようです。

鏡餅はいつからいつまで?

鏡餅を飾り始めるのは、他のお正月飾りと同様、12月13日以降とされています。

現代では12月28日に飾るのが一般的といわれますが、ご自身にとって都合の良いタイミングで飾ってくださいね。ただし、12月29日と12月31日に飾るのは避けたほうが良いとされています。

12月29日:「九立て」といい、「苦」につながるため6
12月31日:大晦日に飾るのは「一夜飾り」といい、年神様への誠実が足りないため

いつまで飾るか(=松の内の期間)はお住いの地域によりますが、一般的には関東は1月7日、関西は1月15日までとされます。なお、鏡開きの日程については、下記の記事をご覧ください。

一人暮らしのお正月|鏡開きの基礎知識を知ってご利益ゲット

おわりに

よくよく考えたら、変な格好をしている鏡餅ですが、構成する物の一つ一つに、しっかりと願いが込められていました。一人暮らしの部屋に取り入れやすく、最後は食べられる鏡餅。なんて実用的なんだ……! ぜひ今度のお正月までに、お気に入りのものを見つけてくださいね。

脚注

  1. 具体的には、三種の神器である八咫鏡(やたのかがみ)に由来するという説がある。
  2. 三段重ねにする地域もある。
  3. 陰と陽の力が和合して自然界の調和が保たれ、五穀豊穣・子孫繁栄につながると考えられた。
  4. シダ類の一種
  5. 地域・家庭にもよるが、裏を見せて飾る場合が多い。
  6. 12月29日にお餅を搗くことを、苦餅(苦持)と呼ぶ。
犬福チワワ

犬福チワワ

チワワとお笑いを愛するWebライター。鎌倉で気ままな一人暮らしを満喫中。得意ジャンルは日本文化・日本史・寺社仏閣・会計・税務など。 Twitterからもお仕事承ります。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントする